マイナ保険証って何? 〜マイナンバーカードの健康保険証利用について〜
マイナカードに保険証が紐づけられることは周知されてきたと思います。しかしながら、カードを持っているだけでは保険証は登録されていないことをご存知ですか?
かく言う私は、恥ずかしながらそのことを知りませんでした。マイナカードは持っていれば自動的に保険証が紐付けられるものだと思っていましたが、大きな勘違いでした。すぐに確認してスマートフォンでオンライン登録しました。
本日はマイナ保険証についてご説明します。
令和3年10月より、医療機関や薬局等の窓口において、マイナンバーカードや健康保険証を利用してオンラインでの資格確認が開始されました。当院でもサービス利用しています。システムが導入された医療機関等ではマイナンバーカードや健康保険証が「限度額適用認定証」や「限度額適用・標準負担額減額認定証」としても利用できるようになっております。
オンライン資格確認って何のこと?
マイナンバーカードのICチップ、または健康保険証の記号番号等により、オンラインで健康保険の資格情報の確認ができることをいいます。デジタル処理により効率化を期待できます。
マイナンバーカードを保険証として利用する「マイナ保険証」には、これまでの健康保険証に比べていくつかのメリットとデメリットがあります。
メリット
- 医療情報の共有がスムーズ
- 医療機関や薬局で診療履歴や薬の処方歴を確認できるため、重複検査や重複処方の防止に繋がる。
- 医療機関の受付の際、マイナンバーカードのデータを読み取り、オンラインで資格確認を行うため、待ち時間が少なく効率的に。
- 医療費が高額になったとき、健保組合から交付される限度額適用認定証を提示すると窓口での支払いが自己負担限度額までで済む。オンライン資格確認で限度額の情報も取得できるので、認定証が不要になる。
- 患者の医療情報が一元化され、より適切な医療が提供されやすくなる。
- 健康管理の向上
- マイナポータルを通じて自身の薬剤情報や特定健診の結果を閲覧できる。
- 自分の健康情報を把握しやすくなることで、健康管理を積極的に行うきっかけとなる。
- 本人確認の強化
- 写真付きのマイナンバーカードを使うため、不正利用やなりすましが防ぎやすい。
- 手続きの簡略化
- 転職や引っ越し時に、保険証の発行や切り替えの手続きが不要。
- 新しい保険証が届くまでの期間、保険証がない状態になる心配がない。
- 利便性の向上
- マイナンバーカード1枚で、行政手続きや医療機関の受診が可能。
- ATMや役所の窓口に行く機会を減らすことができる。
デメリット
- カードの紛失や盗難リスク
- マイナンバーカードを紛失すると、保険証としての利用だけでなく、マイナンバーそのもののセキュリティも危険にさらされる。
- 再発行には時間がかかる場合がある。
- デジタル技術の習熟が必要
- 高齢者やデジタルに不慣れな人には、マイナポータルの利用や設定が難しい場合がある。
- オンライン登録の手続きに戸惑う人もいる可能性がある。
- 医療機関側の対応の遅れ
- すべての医療機関がマイナ保険証に対応しているわけではない。対応していない医療機関では、従来通りの紙の保険証や「資格確認書」が必要。
- プライバシーやセキュリティの懸念
- マイナンバーカードに紐づけられた医療情報が漏洩するリスクが指摘されている。
- 厳重な管理が必要だが、情報漏洩時の被害が大きくなる可能性がある。
- 特定の環境下での利用の困難さ
- マイナンバーカードの有効期限が切れた場合や、ICチップの故障が発生した場合、保険証として利用できなくなる。
我々の不安をよそに政府機関はマイナカードの普及を進めてきました。デジタル化が進み、便利な世の中となりましたが、紛失や情報漏洩の懸念は残ります。とはいえ、我々はその流れに従うしかありません。
2024年12月2日以降、従来の健康保険証の新規発行は停止され、マイナンバーカードを健康保険証として利用する「マイナ保険証」への移行が進められています。現在お持ちの健康保険証は、その有効期限まで使用可能です。ただし、有効期限は最長で2025年12月1日までとなります。その後は使用できなくなりますので、注意が必要です。そのため、期限が近づく前に周知のためのアナウンスがあるかと思います。
マイナ保険証登録後も、2025年12月1日までは既存の保険証の使用が可能です。まだお済みでない方は、以下の方法で登録ができます。手順をご確認ください。
申し込み方法は3つ
必要なもの
スマートフォンでの申し込み手順
医療機関・薬局での申し込み手順
セブン銀行ATMでの申し込み手順
セブン銀行「マイナンバーカードでの手続き」をご参照ください。
私はマイナポータルから行いましたが、登録申請後すぐに登録完了となります。これで一安心です。(笑)
恥ずかしながら、マイナンバーカードには有効期限 (一般的な成人:10年、未成年:5年)があることを初めて知りました。以前から、顔写真はずっとこのままなのかと疑問に思っていましたが、更新があるようなのでほっとしました。また利用者証明用電子証明書にも有効期限があるようです。
利用者証明用電子証明書とは、マイナンバーカードに搭載されている電子証明書の一つで、インターネット上で本人確認を行う際に利用されます。具体的には、「マイナポータル」へのログインや行政サービス利用時の認証に用いられます。期限が近づくと更新の案内が届くようですが (期限の約3ヶ月前)、手続きは市区町村の窓口で行う必要があります。
最後に医療機関の受診方法についてです。
医療機関での受診方法について
マイナ保険証を利用する場合、医療機関や薬局の受付でマイナンバーカードを提示し、専用のカードリーダーにセットして本人確認を行います。これにより、従来の保険証と同様に受診が可能です。一方、マイナンバーカードを持っていない方や、利用登録をしていない方には、「資格確認書」が交付されます。この資格確認書を提示することで、引き続き医療機関での受診が可能です。
マイナ保険証の登録がまだお済みでない方がいらっしゃいましたら、ご参考になれば幸いです。医療機関を利用される患者さんは、ご高齢の方が多く不安な面もあるかと思います。何かお困りの際はお気軽にお尋ねください。
マイナンバーカードの保険証利用に関するお問い合わせ
マイナンバー総合フリーダイヤル
0120-95-0178
受付時間:平日 9:30~20:00、土日祝 9:30~17:30(年末年始を除く)