メニュー

GLP-1ダイエット成功の鍵 〜リバウンドを防ぐ4つのポイント〜

[2025.10.12]

GLP-1受容体作動薬(マンジャロやリベルサスなど)を使用したダイエットの減量効果は顕著で、日々の診療を通じてその効果を強く実感しています。糖尿病で通院中の患者さんは、薬を中止した後も定期的なフォローが続きますが、保険適用外で使用される方は通院が途絶えることが多く、その後の経過が分からないケースも少なくありません。

 

ダイエットの最大の課題は「リバウンド」です。せっかくの減量成果を維持するためには、リバウンドをいかに防ぐかがとても重要です。当院では、長期的な視点で患者さんに寄り添った診療を心がけています。今回は、GLP-1ダイエット後のリバウンド防止策について、私見を交えながらお伝えします。少し個人的な話も含まれますが、気軽にお読みいただければ幸いです。

 

 

なぜリバウンドが起こるのか?

ダイエット後に体重が元に戻る「リバウンド」は、減量によって代謝やホルモンバランスが変化し、体が省エネ状態になることで起こります。体は元の体重に戻ろうとする傾向があります。GLP-1受容体作動薬は、ストレスを感じることなく食欲を抑え、減量を容易にする一方、自己管理が甘くなるリスクもあります。薬を急に中止すると食欲が急激に回復し、リバウンドにつながりやすいのです。

 

リバウンドを防ぐ4つのポイント

リバウンドを防ぐためには、以下の4つのポイントを意識することが大切です。

 

  1. ダイエット中からの意識改革(食事と運動)

GLP-1使用中は食欲が抑えられ、食事量が自然に減ります。この「少量で満足する」感覚を意識し、習慣化することが重要です。現代人はカロリーを過剰に摂りがちですが、食事のバランスを見直すことで健康的な生活を維持できます。

 

私自身、ダイエット外来を通じて食事と運動の重要性を再認識しました。元々食欲旺盛ではありませんが、炭水化物を1日1~1.5食に抑え、バランスの良い食事を心がけています。例えば、朝は副菜のみ、昼は炭水化物を含むバランス食、夜が主菜や副菜を中心とした食事です。しかし、時にはラーメンや回転寿司、ファストフードも食べます。日々の生活でおやつも食べます。このように食べたいときは我慢せず適量で食べたいものを楽しみ、普段は全体のバランスを意識しています。ストレス解消のための食事は自然なことですが、毎日好きなものを好きなだけ食べていては減量は難しいです。適度なご褒美を取り入れつつ、日々の食事でバランスを保つことが継続の鍵です。キーワードはメリハリです。

 

すき家の鮭まぜのっけ定食、おすすめです!

 

運動もリバウンド防止に欠かせません。定期的な運動習慣がある方は減量がスムーズで、筋肉量を維持することで基礎代謝の低下を防げます。筋力トレーニングは筋肉量の減少を抑えますが、有酸素運動も効果的です。ウォーキング、ジョギング、水泳、自転車などの有酸素運動を継続することで、基礎代謝の向上が期待できます。私のおすすめはウォーキング。30分以上、汗をかく程度のペースで行うと、脂肪燃焼効率も高まります。

 

  1. GLP-1からの卒業準備(徐々に減量・中止)

GLP-1の使用期間は人それぞれですが、いつかは薬を卒業するタイミングが訪れます。急に中止すると食欲が急増し、リバウンドのリスクが高まります。目標体重に近づいたら、投与量を徐々に減らし(例:マンジャロなら2.5mg、リベルサスなら3mg)、投与間隔を延ばして食欲の回復に備えるのが理想的です。当院では、食欲に負けないよう、事前に食事と運動の習慣を身につけることを推奨しています。GLP-1中止後の食欲回復に備え、リバウンドを防ぐ準備を整えることが重要です。

 

  1. 相談できる医療機関の確保

GLP-1ダイエットはオンライン診療でも普及していますが、薬をやめた後のリバウンドリスクが課題です。薬の特性やリバウンドについて十分な知識を持つことで、ダイエットの成功率が高まります。治療に関する疑問やリバウンド時の相談先として、信頼できる医療機関を確保しておくことをおすすめします。計画的なダイエットで、リバウンドのリスクを最小限に抑えましょう。

 

 

  1. 生活習慣の改善

現代社会では不規則な生活やストレス、睡眠不足がリバウンドを招く要因となります。睡眠不足は満腹ホルモン(レプチン)を減らし、食欲を増すホルモン(グレリン)を増加させ、過食につながります。また、ストレスによるコルチゾールの分泌は、食欲を抑えるセロトニンの働きを妨げます。規則正しい生活、十分な睡眠、ストレス軽減を心がけることで、リバウンドを防ぎやすくなります。ダイエットを機に生活習慣を見直せば、健康的な生活への転換点となるかもしれません。

 

私の実践例

私はGLP-1を使用していませんが、食事と運動のバランスを意識することで体重を減らし、BMI 21を切るまでに至りました。食事は、朝は副菜のみ、昼は炭水化物を含むバランス食、夜は主菜・副菜を基本としています。週1回の回鍋肉定食やすき家の朝食が楽しみで、その時々の気分に応じてファストフードも頂きます。間食も好きですが、過度に摂りすぎないように注意を払っています。全体のバランスを意識することでストレスなく続けられています。

 

運動は、週1回の1時間ウォーキングを続けています。最初は慣れませんでしたが、今では欠かせない習慣です。この生活習慣を始めて半年以上が経過し、体重は減り、健康状態も良好です。体力もしっかり維持できています。研修医になった頃と同じ体重をキープし、筋肉量も変わっていません。健康寿命を延ばすためにも、早いうちからの生活習慣の改善は欠かせません。

 

頑張って登ればこんな絶景が待っています。楽しみながらウォーキングしましょう!

 

最後に

私が実践していることは、シンプルで実現可能な習慣です。自分ができないことを人に助言できません。日々の取り組みがダイエット外来での一助となりますよう、引き続き実践を続けていきたいと思います。

 

当院では、来院される方一人ひとりの悩みに寄り添いながら、目標の達成を目指します。悩みは人それぞれです。どのようなことでも解決を目指してご提案ができますよう、日々努力を重ねてまいります。何か御座いましたら当院までお気軽にご相談下さい!

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME