肥満外来 (メディカルダイエット)
肥満とは?
肥満は、体重が増えるだけでなく、体脂肪が蓄積した状態で、万病の元と言われています。過体重になると、糖尿病、脂質異常症、高血圧、睡眠時無呼吸症候群、心疾患など、多くの疾患の要因となります。肥満を放置していると、こうした生活習慣病が悪化し動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中等の重大な病気へと進む原因となります。
しかし、過度なダイエットは体調を崩し、かえって健康を害してしまうこともあります。肥満を解消したいからといって、むやみに体重を減らせば良いというものではありません。無理なダイエットを行っても、ほとんどの人はリバウンドしてしまいます。
そもそもダイエットは必要な状態でしょうか?肥満解消のためにどの程度減量すべきでしょうか?正しい判断と方法で、生活習慣を改善しながら健康的に肥満解消を目指すことは非常に大切です。
当院では、こうした生活習慣病の治療を保険診療で行っております。生活習慣病の管理の基本は食事・運動療法です。日頃の診療の中で、個々の患者さんに合った指導を心がけております。食事・運動療法を行っても、生活習慣病の管理が不十分と判断した場合、薬物加療を行います。十分な生活習慣病の管理は動脈硬化の進展を抑制し、重篤な疾患の発症を予防します。
日本肥満学会では、BMI (体格指数)が18.5未満を「低体重(やせ)」、18.5~25未満を「普通体重」、25以上を「肥満」と定義しています。また、BMIが「22」のときの体重を、統計的に最も病気になりにくい「標準体重」と定めています。
しかし、日本の中高年、40代以上の約35万人を10年以上追跡した研究によると、女性で最も死亡リスクが低いBMIは23.0~24.9、男性では25.0~26.9でした。どちらも標準体重より少し重いくらいが最も長生きだったのです。一般的に、BMI 22〜25の範囲での管理を目指しますが、男性の場合、標準体重よりやや高くても良いのかもしれません。
それでもなお、患者さんによっては肥満の問題が解決しないことがあります。当院では、過剰なダイエットは推奨しませんが、患者さんご自身の努力を行なった上でも減量が得られない場合に、ダイエット治療を行っております。体重増加により病気の1歩手前、未病の段階に至ることもあります。未病、予防医療の観点から一人一人の患者さんにあったダイエット治療は重要であると考えています。
血液検査や診断のもと、治療が必要な患者様には、まず保険診療内での治療を目指します。保険診療での治療が難しい場合は保険適応外での治療 (自費診療)となります。患者さん一人一人に適したダイエットメニューを提案させて頂きます。ダイエットが不要な方、痩せている方へのダイエット治療は健康を害する可能性があるため、お勧めしておりません。
肥満の悩みは人それぞれです。どうぞお気軽に当院までご相談ください。
肥満の評価
体重、BMI、体脂肪率、内臓脂肪レベル、基礎代謝量を評価します。
体脂肪率
体内に蓄積された脂肪をいいます。体重に占める体脂肪の割合を体脂肪率といい、体脂肪率(%)=脂肪量(kg)÷体重(kg)×100で表されます。体脂肪が過剰に蓄積された状態が肥満とされています。
筋肉量
筋肉量は、成長に合わせて20才ごろまで増加し、その後、維持期を経て加齢とともに徐々に減少する傾向があります。成長期は筋肉量が急激に増加する時期ですので、バランスのとれた食事と適切な運動が大切です。健常な成人においては、筋肉量が減るとエネルギー消費も減るため、脂肪が蓄積されやすくなって生活習慣病などの原因となります。中高年以降も、日常生活の中に適度な運動を継続的に取り入れ、筋肉量の減少を防止するよう心がけることが大切です。
体水分率
体水分とは、体内に含まれる水分の事で、血液、リンパ液、細胞外液、細胞内液などをいいます。体水分率とは、体重に占める体水分量の割合です。体水分は栄養を運搬したり、老廃物を回収したり、体温を一定に保つなど体にとって重要な働きがあります。
体水分率は女性よりも男性の方が高い傾向にあり、加齢とともに減少する傾向が見られます。また、体脂肪率が高い人は低く、逆に体脂肪率が低い人は高い傾向があります。体脂肪率が適正範囲にある人の体水分率は、男性が約55〜65%、女性が約45〜60%です。
基礎代謝率
さまざまな生命活動(呼吸をする、心臓を動かす、体温を保つなど)のために常に使っているエネルギー量を基礎代謝量として表します。基礎代謝率は「生きていくために最低限必要なエネルギー」のことで、肉体的・精神的に安静であるときに、呼吸器・循環器系や神経系、肝臓や腎臓などの臓器がわずかに活動している状態の時に消費するエネルギー量です。日本人の基礎代謝基準値は以下のとおりです。目標体重[kg] x 基礎代謝基準値が基礎代謝量 [kcal]となります。
肥満外来診療の流れ
- 1.問診、メディカルチェック
- 2.検査
(血液検査や内臓脂肪の評価) - 3.ダイエットプログラムの提示日々の食事や体重測定などの認知行動療法を指導します。また、人によっては保険適応外となりますが、食欲を抑制する効果のある薬や、脂肪成分の吸収を抑える薬を処方することも可能です。
必要に応じてそれらの薬剤を服用しながら、食事療法や運動療法などを続け、肥満を解消していきます。 - 4.アフターフォローダイエット効果を確認しながら、ダイエットを進める上での悩みなど相談し、プランを進めていきます。
当院の肥満治療
食事・運動療法の指導
当然のことながら、減量の基本は、食事と運動です。ダイエットを試みた人であれば、食事や運動を意識して、何かしらか取り組まれたのではないでしょうか。強い意志とモチベーションがあれば、計画的に減量することができますが、現実にはそういかないことも多いです。当院では、個々の患者さんの状態、背景、目標などに沿って無理のない計画を立てます。キーワードは継続です。モチベーションを保ちながら無理のない範囲で減量を目指します。
①食事療法
ダイエットのための食事制限というと、摂取するカロリー量を少なくすればいいと考える方が多いためか、栄養が偏ったり、必要な栄養が不足してしまう場合が多いです。しかし、肥満を解消し、健康的にやせるには、栄養バランスのとれた食事を心がけることが非常に重要です。
炭水化物 (糖質)はダイエットを大きく妨げます。1日3食しっかりと食事をとり、間食やジュース、アルコール類も摂取すると、減量することは難しいでしょう。毎日の食事の中で炭水化物摂取量のバランスをとる必要があります。
また、脂質はエネルギー量が多く、ダイエットを妨げます。油を多く使った揚げ物や炒め物はできるだけ避けることも大切です。一方で、タンパク質の確保は必要です。体重1kgあたり、1g/日が必要最低限です。筋肉、血管、内臓は、タンパク質で形成されています。日々の代謝を保ためにも、摂取を心がけましょう。また、ビタミン、ミネラルを摂ることも大切です。
炭水化物 (糖質)の制限は、減量に大きくつながります。しかし、極端な食事制限は長続きしません。過度な制限は、免疫力の低下をきたすため、お勧めしません。少しずつ減量できれば、モチベーションを保ちつつ、目標の体重に近づきます。継続は力なりです。
②運動療法
肥満解消のために、脂肪を燃焼させる有酸素運動を行い、基礎代謝を高めることも大切です。有酸素運動で脂肪が燃焼し始めるのは、開始して20分後からです。肥満解消には、十分な酸素を取り込みつつ、息切れしない程度で20分以上続けられるウォーキングがお勧めです。
最低限1日30分、週に3回以上行うのが良いです。膝が悪く、長時間歩くことができない方は、膝に負担の少ない水中ウォーキングを行いましょう。
食事療法と運動療法を行うことで、筋力を維持しながら、過剰な脂質を減少させることができます。面倒くさいと敬遠してしまいがちですが、ひとたび始めると意外と継続できるものです。生活習慣病を是正し、健康寿命を伸ばすことも期待できます。何歳からでも始められます。是非とも始めてみてください。
薬物療法
①漢方
体重減少に効果がある漢方薬には、以下のものが挙げられます。
- 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
- 大柴胡湯(だいさいことう)
- 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
それぞれの漢方薬は、異なる効果や特徴があり、個々の体質や症状に応じて選択されます。
(1)防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)62番
肥満やむくみ、高血圧などの症状に対して効果が期待されています。防風通聖散には8種類もの生薬が含まれています。効果としては、「下剤作用」「健胃作用」「発汗作用」「水分調節作用」が中心となっています。
「肥満傾向の体型ですぐお腹がすいて間食してしまいやすい方」におすすめです。便秘がちな肥満症の方にも効き、便秘薬としても処方されることもあります。
主な副作用:消化器症状(特に下痢や食欲不振)・発疹・発赤・かゆみ・めまい・発汗・動悸
過去の報告で、外来での肥満患者127例に一律に防風通聖散を投与し、6か月以上服薬できた33例について体重減少効果を行ったところ、うち16例で食欲低下を認め、食欲低下例の体重変化は-4.8±1.0kg、食欲不変例では-1.4±0.7kgでした。腹痛や下痢などで長期投与ができなかった症例も含まれていますので、継続できるかどうかは個々の患者さんによります。
(2)大柴胡湯(だいさいことう)8番
大柴胡湯は基礎代謝を向上させ、新陳代謝を促す作用が中心となります。
主な副作用:間質性肺炎・肝障害・消化器症状(食欲不振・腹痛)
小規模ではありますが、過去の報告で、BMI 25以上もしくは腹囲が90cm以上の女性15名、85cm以上の男性9名に大柴胡湯エキス錠を12週間(3か月)服用した臨床試験では、体重が2.1㎏の減少、体脂肪量が約2㎏の減少、脂肪の代謝率が129%に上昇したとのことです。
大柴胡湯の適応症として、便秘がちな方、上腹部が張って苦しい方、耳鳴り、肩こりなどを伴う方が対象になっていますので、これらに該当する方には良い適応となります。
(3) 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)20番
防已黄耆湯は本来「水分代謝に働きかけてむくみをとる薬」です。利水作用が多く含まれおり、水が溜まって腫れるような関節の痛みなどにも有効とされています。
主な副作用:間質性肺炎・偽アルドステロン症・ミオパチー・肝機能障害
「肥満症(25≦ BMI<35)の女性で、気虚と水滞の問診票を参考に38例に防已黄耆湯を24週 (6ヶ月)投与したところ、体重は平均2.4kg減少しBMIからみた著効例は9例(23.6%)、waist/hip周径からみた著効例は7例(18.4%)であった」と報告されています。
防已黄耆湯は疲れやすい方(体力がない方)、色白で筋肉が柔らかく水太りの方、足がむくみやすい方が適応症となります。長期服用により後述する副作用が出現することがあるので、医療機関でモニタリングしながら内服していくことが必要です。
これらの漢方は、3〜6ヶ月程度内服して体重減少効果が認められるため、長期内服が必須です。
漢方であっても定期的な血液検査は必要です。また他の病気などで受診するとき、飲み合わせの悪い薬(特に漢方薬同士)もありますので、必ず漢方薬を飲んでいることをお伝えください。
②GLP-1受容体作動薬 (リベルサス、マンジャロ) (自費診療)
GLP-1受容体作動薬は元来体内で分泌されているホルモンです。分泌量が増えると食欲抑制・脂肪分解促進の働きをするため、薬として体内に取り込むことで体重減少が期待できます。
海外では、肥満治療薬として承認されていますが、日本では糖尿病治療薬としてのみ保険適応となっており、当院でも糖尿病患者さんに使用しております。肥満外来では、保険診療での治療を原則としていますが、保険適用にはあてはまらないが、血液検査等により体重を減量する事で未然に病気を防げると医師が判断した場合のみ、保険外診療 (自由診療)にて通院のもとにGLP-1受容体作動薬を処方します。
※美容目的や減量不要の方へはGLP-1受容体作動薬の処方はお断りしています。
※GLP-1受容体作動薬は、広く使用されており、時に流通が不安定になることがあります。万が一供給が不安定となった際は、糖尿病で使用されている患者さんを優先させていただく場合があります。その点ご了承ください。
GLP1受容体作動薬の主な効果は以下のとおりです。
1.体重が減少する
顕著な効果のひとつが、体重減少です。体重減少の程度は、高用量になるほど効果が大きくなる傾向があります。たとえばマンジャロでは、5mgで平均7.6kg、10mgで9.3kg、15mgで11.2kgの減量効果が確認されています。
2.食欲が抑えられる
体重減少効果は、主に強力な食欲抑制作用によるものです。食事後に満腹感を長時間維持する効果があるため、食事量が減少し、総カロリー摂取量を減らせる可能性があります。また、食事の嗜好に変化がみられることがあります。
3.代謝が改善する
体全体の代謝を改善する効果があります。脂肪細胞にはエネルギーを貯蔵する働きと、エネルギーを使用し熱を作り出す働きがあります。熱を作り出す働きを促進し、基礎代謝を向上させるため、結果的として太りにくい体質に近づけます。
リベルサス (内服薬)
用法・容量
3㎎で治療を開始して、4週間継続します。効果が不十分であれば7㎎に増量します。 食欲が止まっていれば、その量を維持量として継続します。最大投与量は14mg/日です。
内服時の注意点
本剤の吸収は胃に内容物があると低下します。1日のうちの最初の食事・飲水の前に、空腹の状態でコップ約半分の水(約120mL以下)で服用します。服用後少なくとも30分は、飲食及び他の薬剤の経口摂取を避けてください。
副作用
リベルサスによる最も一般的な副作用は、胃腸障害です。具体的には、吐き気、腹痛、下痢、嘔吐、便秘などです。これらの症状は、通常は内服を継続すると軽くなっていきます。また稀にですが、重大な副作用として低血糖があります。具体的な症状としては、冷汗、動悸、意識がもうろうとするといったことがあります。万が一、低血糖が起きた場合に備えて、砂糖やブドウ糖の入った飲食物を携帯するよう心がけてください。医療機関を受診し、医師の管理下に処方を受けて使用することが大切です。
以下の方には処方できません。
- 妊娠中(妊娠の可能性がある)、授乳中の方
- 1型糖尿病の方
- 膵炎の既往のある方
- 腸閉塞や胃腸障害のある方
- 過度のアルコール摂取をする方
- 18歳未満の方
GLP-1の臨床効果 (糖尿病)
糖尿病を有する患者さんの海外データ (PIONEER1試験)になりますが、投与開始後26週で、リベルサス3mgで-1.5kg、7mgで-2.4kg、14mgで-4.4kgの体重減少でした。
リベルサスと同じ「セマグルチド」を主成分としたオゼンピックを用いた臨床試験(STEP1)の結果は以下のとおりです。先ほどの試験より長期間追跡しておりますが、セマグルチド群で-15.3kg、プラセボ群で-2.6kgと有意な差を認めました。
リベルサスの効果には個人差がありますが、2〜3ヶ月ごろから実感できるといわれています。食欲や消化に作用するため、服用と共に食習慣の改善によって効果を発揮します。
その他の海外の臨床研究で、体重減少率が3ヶ月で5.9%、6ヶ月で10.9%というデータもあり、リベルサスは服用を続けることで減量効果が期待できる薬剤といえます。
リベルサスの効果が出にくい人
- 過食を繰り返すなど、食生活を改善していない
- 運動を全くしていない
- 効果が出る前に服用をやめてしまった
- 服用方法を間違えている
いくらリベルサスを内服しても、必要以上に食べ続ければ効果を発揮できません。バランスの良い食事と運動習慣をつけることを心がけてください。
自己負担額 (自費の場合)
- リベルサス 3mg (30錠): 9900円 (税込)
- リベルサス 7mg (30錠): 16500円 (税込)
- リベルサス 14mg (30錠):22000円 (税込)
マンジャロ (注射剤)
マンジャロ (チルゼパチド)は、従来のGLP-1受容体作動薬と比較して、より強力な血糖降下作用と体重減少効果があることが特徴です。欧米人を対象とした臨床試験では、既存のGLP-1受容体作動薬であるオゼンピック(セマグルチド)よりも優れた体重減少効果が示されました。(オゼンピック1mgの減量効果は-5.7kgに対し、マンジャロ 5mgでは-7.6kg、10mgでは-9.3kg、15mgでは-11.2kg)
用法・容量
マンジャロは、週1回の皮下注射として使用します。使い捨てのため、自分で薬液の量を調節したり、針をつけたりする必要はありません。ただし、清潔操作や注射部位の選択など、スタッフが説明致します。
皮下注射を行う際には、注射部位の清潔を保つことが非常に重要です。手洗いとアルコール綿での消毒を徹底し、感染リスクを抑えましょう。
注射部位は腹部・太もも、または上腕の外側が推奨されています。注射部位は毎回異なる場所に変えることで、皮膚の損傷や硬結を防ぐことができます。初回は2.5mgを週に1回、4週間投与します。4週間後に維持量の5mgに増量し継続します。
初期の変化
初期の変化としては、投与開始後数週間以内に食欲の減少や満腹感の増加を感じ始める方が多いです。たとえば、昼食後に間食したくなる衝動が減ってくるなど食欲が自然に減少し、初期段階で体重減少の兆候が見られることがあります。
長期的な変化
体重減少効果は通常3〜6ヶ月かけて徐々に現れます。臨床試験では、6ヶ月後に平均7〜11kg程度の減量が報告されています。
血糖コントロールの改善も継続的に進み、過去2〜3か月間の平均血糖値を示す指標であるHbA1c値の顕著な低下が3〜6ヶ月後に確認されることが多いです。
ただし、効果の現れ方には個人差があり、バランスのとれた食事など生活習慣の改善と併せて継続的に服用することが重要です。医師の指示に従い定期的な経過観察を受けることで、より効果的な治療が期待できます。
副作用
マンジャロによる主な副作用は、胃腸障害です。具体的には、吐き気、腹痛、下痢、嘔吐、便秘などです。初めて使用した時や増量した際に起こりやすいと言われています。また稀にですが、重大な副作用として低血糖があります。具体的な症状としては、冷汗、動悸、意識がもうろうとするといったことがあります。万が一、低血糖が起きた場合に備えて、砂糖やブドウ糖の入った飲食物を携帯するよう心がけてください。医療機関を受診し、医師の管理下に処方を受けて使用することが大切です。
以下の方には処方できません。
- 妊娠中(妊娠の可能性がある)、授乳中の方
- 1型糖尿病の方
- 膵炎の既往のある方
- 腸閉塞や胃腸障害のある方
- 過度のアルコール摂取をする方
- 18歳未満の方
自己負担額 (自費の場合) (週1回注射)
- マンジャロ 2.5mg: 4,400円 (税込) /1本
- マンジャロ 5mg: 8,800円 (税込) /1本
- マンジャロ 7.5mg: 13,200円 (税込) /1本
- マンジャロ 10mg:17,600円 (税込) /1本
患者さんご自身では打つのが不安であるとか怖いという場合には、当院で皮下注射することができます。その際は手技料として1100円 (税込)が別途かかります。
1年以内の健康診断の結果をお持ちください。お持ちでない場合、別途採血代4,400円 (税込)かかります。
使用後の破棄方法
- しっかりフタのできる固い容器に入れて散逸しないように廃棄してください。 (牛乳パックや薬の空容器など)
- 薬局などが自主的に回収を行っている地域もあります。 お近くの薬局などにご確認ください。
- 一般廃棄物として廃棄しなければならない場合は、お住まいの市区町村の規則に従ってください。
GLP-1受容体作動薬の注意点
GLP-1ダイエットの高いダイエット成功率が注目される一方で、間違ったネット広告が問題になっています。
効果や副作用について、間違った情報には注意してください。
❌ 我慢・努力は一切なし!楽して痩せられる!
- ダイエットをする意識があれば、GLP-1は強力なサポートになります。
- 何もしなくてもどんどん痩せられるわけではありません。
❌ つらい思いは一切なし!
- どんな薬にも副作用のリスクがあります。
- 気持ち悪さが出ることもありますので、初回は慎重に始めます。
❌ 1ヶ月で○○kg減量!
- 摂取カロリーを適切に調整し食べすぎないことでダイエットをサポートする薬剤です。
- 開始して1ヶ月以内で何kgかの減量につながる方もいらっしゃいます。
- しかし1ヶ月で2桁kgのような急激な体重減少を狙うダイエットではありません。(間違ったダイエットは健康被害をきたします)
❌ 海外でポピュラーなダイエット法
- 欧米では肥満治療薬として承認されています。
- しかし、高度な肥満治療への適応であり、一般的なダイエット法としてポピュラーなわけではありません。
従来のダイエットは強い意思で食欲を抑え込み我慢するものでしたが、GLP-1は、自然に食事量を抑えることができます。患者さんからも、「特に努力せずに痩せられた」との声を聞きます。ダイエットの成功の鍵は食事です。1日の総カロリーをセーブ出来なければ、減量や目標の達成はありません。食欲を抑制してくれるGLP-1は強力なサポーターとなります。
③ダイエット点滴 (自費診療)
ダイエット点滴とは、点滴を打つことで痩せやすい体づくりをサポートする点滴のことです。
αリポ酸
細胞小器官であるミトコンドリアで働く補酵素で、脂肪酸の一種です。糖代謝をサポートする事でダイエット効果を促す他、疲労回復、抗酸化物質としても働き、代謝に欠かせない栄養素の一つです。
またビタミンCやビタミンEの400倍の抗酸化力があり、遺伝子レベルで細胞へのダメージを予防する働きや、酸化ストレス(フリーラジカル)を消去して、病気を予防する効果があります。体にとって必要とされるαリポ酸ですが、40歳を超えると激減し、60歳になるまでに非常に少なくなってしまいます。
Lーカルニチン
肝臓で作られるアミノ酸の一種で、体内の脂肪を燃焼させる効果があります。食事でしか摂取できない成分のため、不足しやすい栄養素の一つで、肥満解消だけでなく、メタボリック症候群や生活習慣病予防にも効果を発揮します。Lーカルニチンも20歳をピークに、体内での減少がみられるようになり、50歳台にはその量は半分にまで減少してしまいます。
当院のダイエット点滴は、αリポ酸とL-カルニチンを配合した製剤の点滴です。αリポ酸による代謝促進・体脂肪増加抑制の効果と、Lーカルニチンの脂肪燃焼促進効果により、代謝向上・脂肪消費へと導きます。この注射は他にも、認知症予防やエイジングケア、持久力向上や運動能力向上なども期待できます。
初回はαリポ酸100mgとL-カルニチン1000mgを点滴します。1回の点滴時間は20〜30分程度です。再診時に様子をうかがいます。問題がなければ増量します。以後は効果に応じて150〜600mgで継続します。
1~2週に1回の点滴を3ヶ月行い、治療法の評価を行います。体への負担も少なく手軽に受けられますが、短回で劇的な効果が得られるわけではありませんので、ある程度の期間通わなくてはなりません。治療効果が認められ、点滴継続を行なった方が良いと判断されれば、患者様の同意をもって点滴治療を継続します。
以下の方は治療(ダイエット点滴)が受けられない場合があります。
- 妊娠中(妊娠の可能性がある)、授乳中の方
- 肝機能障害の方
- 膵炎の既往のある方
- 糖尿病の方
- 薬物過敏症の方
- 体調がすぐれない方
自己負担額 (診察費別途)
αリポ酸100mg + L-カルニチン1000mg:5,500円
αリポ酸150mg + L-カルニチン1000mg:7,700円
αリポ酸300mg + L-カルニチン1000mg:9,900円
αリポ酸600mg + L-カルニチン1000mg:13,200円
※αリポ酸は大量のビタミンBを消費するのでビタミンB群を混注して投与します。
ダイエット点滴の注意点
この点滴は、代謝を活性化することで脂肪燃焼を促進したり、脂肪の蓄積を抑制したりする施術です。代謝が上がる為、点滴を受ける前よりも食欲が増すことがあり、運動せずに食べたいものを好きなだけ食べてしまうと逆に太ってしまう可能性もあります。点滴だけで効果を期待するのではなく、痩せやすい体質になるサポートをしてくれる、という認識を持つことも大切です。
また稀ではありますが、低血糖症状(冷汗、寒さ、震え、動悸など)の出現がみられることがあります(αリポ酸によるインスリン自己免疫症候群)。
外来予約について
肥満外来は、副院長が担当しております。月・金曜日が診察日となります。原則予約となります。午前中は混雑が予想されますので、可能であれば午後からの予約をお勧めいたします。何かご不明な点やご要望などございましたら、当院までお気軽にご連絡ください。