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2024年7月の1枚です (THE BAND)

[2024.07.21]

The Band
Music From Big Pink (1968)

7月もあと少しで終わりですね。これからしばらくは暑い日が続きますので、熱中症には要注意です。


久しぶりにドキュメンタリーフィルム”Once Were Brothers”を観て、興奮冷めやらぬうちにレコード棚へ手を伸ばしました。

盟友Bod Dylanの描いたジャケット絵画を眺めながら、レコードに針を落とします。”Tears of Rage”が流れ始めると瞬く間に部屋の空気が一変、The Bandの世界へと引き込まれていきます。

 


彼らが後世に与えた影響は計り知れません。未だ見ぬアメリカの景色を連想しては深い溜息が漏れ出ます。まさに土の香り漂う至極のメロディ。

彼らの曲はロック、フォーク、カントリー、ブルース、ソウル等あらゆる音楽を溶かし混ぜ合わせ、歌詞は多義的な解釈を許す曖昧な物語を持ちます。しかも3人の優れたシンガーを擁し、5人全員が複数の楽器を操る名手。曲ごとにボーカルも楽器も交換することで、複雑で豊かな膨らみを湛えた音楽を創り出してます。

“The Weight”や”I Shall Be Released”が素晴らしいのは言わずもがな、”Lonesome Suzie”が心に沁みます。Richard Manuelのソウルフルな歌声とレイドバック感溢れるGarth Hudsonのエレクトリックオルガンが絶妙に融けあって涙を誘います。

1968年7月1日の発売ですが、5月16日の時点でバンド名は”Crackers”であったという事実を示すアセテート盤。これは歴史的価値が高いレコードです。



異なる才能と個性を持った5人が共同生活して人生を謳歌する中で、葛藤と衝突を繰り返しながら、いつの時代とも分からない「アメリカ」の人々の物語を築き上げた奇跡の一枚。2作目”Brown Album”と共に一生聴き続けたい大傑作です!

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