日本内科学会 中国地方会に参加しました!
第131回日本内科学会中国地方会に参加しました。内科学会なので、循環器のみならず他の内科学にも触れることができる良い機会です。診療を終えて午後からの参加となり、聞き逃したセッションもありましたが、尾道総合病院の発表(自験例)には間に合いました。
途中から土谷総合病院の石橋先生と消化器セッションを聞いていたのですが、目を輝かせながら他科疾患の話に聞き入る先輩の姿勢には感心されられました。先生は、広島を代表するカテーテルのスペシャリストですが、いくつになっても日々自己研鑽しながら知識を蓄え臨床に生かす、その姿勢を見習わなければいけません。疾患は必ずしも一つの臓器にとどまるとは限りませんし、症状も様々です。そのため広い視点を持って診察にあたることが求められます。緊急カテーテルで途中退出されましたが、そんな先生にカテーテルをしてもらえる患者さんは良い先生に巡り会えたなと思います。
最後に行われる教育セミナーは大変勉強になりました。リウマチ疾患で長年ステロイドを服用している患者さんが、水痘帯状疱疹ウイルス感染 (VZV)を景気に急死し剖検を行ったという症例でした。色々な科の医師がこの症例について討論しましたが、ひとたびウイルスが体内で猛威を奮い始めると、我々にはなす術がないという結論でした。わずか1日足らずでDIC、血球貪食症候群 (HPS)に陥り、消化管から大量出血をきたし命を落としたのです。本当に恐ろしいです。
演者は尾道総合病院の木下先生。相変わらずプレゼンテーションが上手です。
この症例から我々が学んだことは、ワクチン接種の重要性です。水痘帯状疱疹ウイルスは、水ぼうそうとも呼ばれ、ほとんどの人が小さい頃に罹患し免疫を獲得しています。しかし、ウイルスは体内に潜伏を続けており、免疫力が低下した際に体内で活性化します。ワクチン接種は、このVZVに対する免疫を再度獲得することができます。生ワクチンと不活化ワクチンがありますが、特に不活化ワクチンは97%の発症予防効果が期待できます。
近年コロナワクチンに対する批判が高まっており、さらには他のワクチンに対してもネガティブな声が上がるようになりました。その気持ちも理解できるのですが、我々医療従事者は、ワクチンの副反応と、ウイルス感染で引き起こされる末路、その両方を経験しています。何事にも絶対的な正解はありません。個々の患者さんの背景や状態を十分に把握し、どうすることが最適なのかをしっかり吟味した上で決めていくことが大切だと思います。
最後に、久々に中野先生にお会いしました。毎度のことながら、教授とは思えない気さくで優しい先生です。先月掲載された論文についてお褒めの言葉を頂戴しました。大学病院の先生方にもお声がけいただき嬉しかったです。学会を通して学んだことを日々の臨床に活かしていきたいと思います。
パルスフィールドアブレーションは今後要注目です。(2024/10/18 中国新聞より)